・非認知能力の概要
・非認知能力が必要な理由
・非認知能力を身に付けるために家庭でできること
この記事では
- 非認知能力ってなに?
- なんで非認知能力って注目されているの?
- 非認知能力を伸ばすためには何が必要なの?
といった疑問に「「非認知能力」の育て方~心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育~|ボーク重子」を参考文献にしてお伝えしていきます。
サクッと理解して、子どもの非認知能力が伸ばせるようにまずは親のマインドセットを変えていきましょう。
非認知能力とは

非認知能力とは、数値化することのできない総合的な人間力のことです。
具体的には
・くじけない心
・想像する力
・コミュニケーション力
・問題を見つけ、解決する能力
・行動する力
・やり抜く力
・我慢する力
引用:「非認知能力」の育て方|ボーク重子
などの「生きる」力のことを言います。
反対に「テストの結果」や「IQ(知能指数)」などで数値化できる力を「認知能力」と呼びます。
非認知能力が注目されている背景

ノーベル経済学賞も受賞した、シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授の幼児教育の研究があります。
その研究では
・乳幼児期の教育では、学習面を強化してもIQの数値を短期的に高めるだけだった
・もっとも子どもたちを伸ばしたのは「非認知能力」だった
ということが分かりました。
これにより、幼児期には
- 学力を伸ばそうとするよりも
- 非認知能力を身に付け、魅力的な人間性の土台を築くこと
が大切だと分かります。
なぜ非認知能力を身に付ける必要があるのか

非認知能力を身に付ける必要がある理由は、以下の3つです。
- 正解のない時代に入っているから
- 人物評価の基準が変わってきているから
- 魅力的な人間性の土台が築けるから
正解のない時代に入っているから
現代は正解のない時代だからこそ、非認知能力を身に付ける必要があります。
- AIなどのテクノロジーの進化
- 世界の複雑化・多様化
- 情報の肥大化
など、時代は大きく変わってきています。
これまでのように「偏差値を上げて、いい大学、いい企業に入れば一生安泰!」というようなシンプルな時代ではありません。
複雑化した、正解がない時代だからこそ
- 問題を見つけ、解決する能力
- 行動する力
- やり抜く力
などの非認知能力が大切になってきます。
人物評価の基準が変わってきているから
時代の変化と共に「人物評価の基準」が変わってきています。
アメリカでは1990年代から、テストの点数だけなく
- 経済的バックグラウンド
- 特技
- 社会貢献活動
- その他の体験
など、さまざまな角度から評価する「ホリスティックアプローチ」という手法が導入されています。
テストの点数や、IQ(知能指数)といった「認知能力」だけでは似通った人ばかりが集まってしまい、多様化しないという危機感もあったそうです。
評価は、点数だけではなくなってきています。
だからこそ「非認知能力」の重要性が高まっています。
魅力的な人間性の土台が築けるから
非認知能力により、魅力的な人間性の土台を築くことができます。
なぜなら非認知能力には「人としてのあらゆる良い資質」が含まれているからです。
たとえば「非認知能力」には
・自己肯定感
・自制心
・社会性
・好奇心
・想像力
・共感力
・主体性
・柔軟性
・回復力
・やり抜く力
などが含まれています。
自己肯定感が高くて、社会性があって、主体性・柔軟性もある…こんな人はどう見ても魅力的ですよね。
魅力的な人間性の基礎を身に付けるためにも「非認知能力」にフォーカスして育てるのは大切だと言えます。
非認知能力を伸ばすために家庭でできること

非認知能力を伸ばすために家庭できることは、以下の3つです。
- 家庭内にルールを作る
- 子どもと対話する
- 子どもと遊ぶ
家庭内にルールを作る
家庭内にルールを作ることで、非認知能力を伸ばすための土台にすることができます。
ルールを理解して守ることで社会性や責任感を高めないと、子どもはただのわがままになってしまうからです。
ルールの例としては
・朝起きたら「おはよう」と挨拶をする
・ウソはつかない
・脱いだ靴はきちんと揃える
などシンプルなもので大丈夫です。
ルールを作るときのコツは
- たくさんつくりすぎない
- ルールが年相応であること
- ルールを作るときは子どもも参加させること
といったポイントを意識します。
なんでもかんでも好き放題させるのではなく、社会性や自制心を高めていくために家庭内に「ルール」を設けるようにします。
子どもと対話する
非認知能力を伸ばすためには、子どもとの対話が大切です。
保護者が話す言葉はおそらく子どもにとって、もっとも価値のあるもの
というのは、シカゴ大学のダナ・サスキンド教授の言葉です。
また、3歳までに聞いていた言葉の量が、9歳時点の言語レベルや学校のテストの点数と相関していたという研究の結果も出ています。
そのためにも
- 言葉を理解していないだろうという時期から頻繁に話しかける
- 声をかけながら一緒に遊ぶ
- 毎日のように本を読み聞かせる
などが、子どもの語彙力に直結します。
家庭の経済力によって、子どもが聞く言葉の数に違いがあるという調査結果もあります。
■ 社会経済レベルの高い家庭
→ 子どもが3歳になるまでに平均4500万語の言葉を聞く
■ 生活保護を受けている貧困家庭
→ 平均1300万語の言葉しか聞かなかった
ただ、子どもに話しかけるのにお金はかかりません。
収入ではなく「親の意識と努力」でなんとでもなると、著者のボーク重子氏は主張しています。
非認知能力を伸ばすためにも、意識して子どもと対話していきましょう。
子どもと遊ぶ
子どもにとって遊ぶことはとても大切であり、非認知能力を伸ばすことにも繋がります。
アメリカの「遊びの研究所」創設者であるスチュアート・ブラウン博士によると
遊びは酸素と同じくらい人間にとって必須なもの
であり、遊びによって
- 脳の柔軟性・順応性が高まる
- 共感力や倫理観などの社会性が身につく
など、子どもの非認知能力に大きな影響を与えます。
1歳に満たない赤ちゃんでも
・音の出るおもちゃで実際に音を出してみる
・自分の手や足を舐める
・自分の行動に対して親が笑顔を見せてくれる
なども全て「遊び」に含まれます。
非認知能力を伸ばすためにも、子どもとたくさん遊んであげましょう!
ちょっとしたことでも、子どもにとっては「遊び」になることに気付かされました!
まとめ
この記事では
- 非認知能力とは
- 非認知能力が注目されている背景
- なぜ非認知能力を身に付ける必要があるのか
- 非認知能力を伸ばすために家庭でできること
などについてお伝えしてきました。
時代はどんどん変わり、偏差値やIQなどの「数値」だけが評価される時代ではなくなってきています。
非認知能力という言葉はこれまで概要くらいしか知りませんでしたが、この本を読んで親がもっと視野を広げないといけないな…思い知らされました。
「非認知能力についてもっと深く知りたい…」
という方は本書を読むことを強くおすすめします!
